社会福祉士会とは

入会のご案内

市民のみなさま

会員のみなさま

トップページ社会福祉士会とは>綱紀事案

綱紀事案

除名案件「相談者への対応における社会福祉士としての不適切な行為」に係る裁判の結果

 平成21年5月30日に行われた第17回通常総会において「除名」処分の議決をおこなった苦情案件「相談者への対応における社会福祉士としての不適切な行為」(処分書参照)について、元会員が裁判所に地位確認請求訴訟を起こしましたが、東京地裁及び東京高裁において本会の勝訴判決が下り結審しました。

〔裁判経過〕
2009年10月 9日 被処分者が東京地裁に地位確認請求訴訟
2010年12月15日 東京地裁で判決言渡・・・本会勝訴
2010年12月27日 被処分者が東京高裁に控訴
2011年 4月27日 東京高裁で判決言渡・・・本会勝訴

東京地裁の判決は以下のとおり

主 文
原告の請求を棄却する。
控訴費用は原告の負担とする。


東京高裁の判決は以下のとおり

主 文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。

-------------------------------------------------------------------------------------
【判決の内容】
★東京地裁H22.12.15判決

《判断方法について》
「本件除名処分の適否は,手続上の観点と実体上の観点の双方について判断することを要するところ,手続上の適否については,本件除名処分に係る手続を定めた本件定款,本件規則及び本件手続規則との関係で違反があるかどうかを判断することになる。また,実体上の適否については,上記のとおり,被告が社会福祉の援助を必要とする人々の生活と権利の擁護,社会福祉の発展に寄与するための活動,社会福祉の職務に関する知識,技術の向上等を目的等とする社団法人であり,その目的を達成するために必要な事項については,本件定款等によりこれを規定し,実施することができる自立的,包括的な権能を有していることからすれば,本件定款又は本件定款に基づく倫理基準又は行動規範で禁じられた行為を行った会員に対し,本件規則で定められた懲戒処分に付すべきか否か,懲戒処分に付すとしていかなる懲戒処分に付すべきかについての判断は,被告の裁量に委ねられているというべきであり,被告が行った懲戒処分の前提となる事実の認定に不注意な誤りがあったか否か,不注意な誤りがなかったとしても,認定された事実に基づく処分が社会通念上著しく妥当性を欠くものであったか否かが司法審査の対象になると解するのが相当である。

※高裁判決でも,この判断が維持されている。
※この部分は,今後,類似の裁判が起きたときに,社会福祉士会の代理人が引用して主張に使えると思われる。

《手続上の適否について》
「・・・以上の手続は,いずれも本件定款等所定の手続に則ったものということができる。」

※高裁判決でも,この判断が維持されている。
※ここでは社会福祉士会の規則に則った運用をしているかどうかが問われている。

《実体上の適否について》
「確かに,証拠(省略)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,被告の倫理委員会の指摘を真摯に受け止め,深く反省悔悟し,上記 ないし の対応をとっているとの事実が認められなくもない。しかし,・・・①ないし⑥の事実は,本件規則5条所定の除名事由に該当する会員が倫理綱領・行動規範に禁じられている行為を行い,会員として極めて不適切である場合に該当するものであり,①ないし⑥の事実をみると,①,②及び④の事実に係る行為は,契約内容自体に問題があるだけでなく,契約締結に至る過程において極めて不十分かつ不適切な説明をしてS及びFに著しい混乱や誤解を与える行為であったということができ,③の事実に係る行為は,Sに対し原告が法律事務を行い得るかのような誤信を与える非弁行為の疑いのある表示を用いた行為であり,⑤及び⑥の事実に係る行為は,SやTとの間でトラブルが生じると,同人らと真摯に向き合うことなく,原告があたかも顧問弁護士に相談したかのように装い同人らを非難したり,脅迫的文書を送り,その責任の追及を免れようとしていると評価されてもやむを得ない行為ということができる。そして,これらの行為は,精神上の障害があること等により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ,助言,指導等を行うことを業とする社会福祉士(社会福祉士及び介護福祉士法2条1項)としての行為としては著しく適格性を欠くものということができる。
 そうだとすれば・・・被告が本件除名処分をしたことは,被告の裁量権の逸脱,濫用と認めることはできない。」

※高裁判決では,この判断に,以下のような表現を付け加えている。
 「なお,控訴人は,当時,SやTから激しい抗議を受けており,冷静さを欠いて動揺した状況の中で混乱し,SやTを非難する文面になってしまったと主張する。しかし,冷静さを欠くような態度しかとれない控訴人が精神的に困っている他人の面倒をみることを仕事とする社会福祉士としては,その適格性に欠けているということが明らかである。」