生涯研修制度の成立と共通基盤の意義
はじめに
日本社会福祉士会(以下、「本会」という)は、1999年度から生涯研修制度を開始させた。 社会福祉士は専門職として, 移り変わる時代 (政策・制度) や福祉ニーズの変化に対応し, また質的にも利用者からの信頼に耐え得るソーシャルワーカーを目指して, 常に自らの専門性を向上させていく必要がある。 そのためにもこの 「生涯研修」 は, 専門職団体として不可欠な制度であると設立当初から位置づけられていた。
しかしながら生涯研修といっても, さまざまな形態やシステムがある。 職能団体における研修制度といっても, それぞれの団体によって研修体系や実施体制, プログラムや評価方法などさまざまな違いがある。 それはその団体の研修目的や内容, さらに制度構築の過程のなかでなされてきた議論が異なるからである。 そこで本会がこの生涯研修を制度化してきた過程を記録し, 本会における共通研修課程の基本的な考え方を整理しておく。