能登半島地震における活動状況と今後の方向性について
全国の皆さまからの支援への感謝
発災から1年が経過し、全国の皆さまから心温まるご支援をいただき心より御礼申し上げます。
この1年は被災地とその住民にとって非常に困難な時期でした。発災直後には多くの建物が倒壊し、道路やインフラも大きな被害を受け、迅速な救助活動と避難所の設置が行われました。全国からの支援に感謝しております。
地震の直接的な被害に加え、能登半島豪雨の影響もあり、多くの人々が避難生活を強いられ、その中で健康問題や心理的ストレスが深刻化しました。特に高齢者や支援を要する方々にとっては、避難生活は非常に過酷でした。2025年1月9日現在、死者505人のうち災害関連死は277人で、さらに270人が申請中との報道があります。未だ復興半ばで将来への不安を抱える被災者が多く、災害関連死の対策が急務となっています。継続した長期的な対策が必要です。
支援活動の状況と支援金の活用状況
発災直後から、日本社会福祉士会と石川県社会福祉士会は、日本社会福祉士会災害対応ガイドラインに基づき、ソーシャルワークを基盤とした支援を開始しました。現地のニーズや要請に応じて、被災地が主体となる支援活動を行い、終了後を見据えた継続的なサポートも進めています。これまでに石川県内や東海北陸ブロック、全国の社会福祉士の皆さまに支援活動に参加していただいています。
2024年12月31日現在、支援活動者の登録者数は359人に達し、活動者数はのべ1,520人、実人数では247人に上ります。(円グラフ参照)
皆さまから寄付いただいた活動支援金は、石川県社会福祉士会の避難者交流「あつまらんけ~のと」相談員事業、物資配布、事業拠点活動場所修繕費、契約費用、支え合いセンター応援職員等派遣費用、移動用自転車、事務費などの活動に充当されています。
今後の支援活動と法制度の見直しの方向
今後は、被災地の変化や被災者のニーズに合った活動を行う体制を構築し、被災者見守り活動にテーマ別の専門的なアプローチを実施します。これまでの訪問実績を踏まえ、重点テーマを設定し、災害ケースマネジメントを実施する予定です。
国は能登半島地震の教訓を踏まえ、災害対策関連法制の見直しに取り組んでいます。高齢者や要配慮者、在宅避難者などの多様な支援ニーズに対応するため、救助の種類に「福祉サービス」を追加し、福祉関係者との連携を強化する方向性を示しています。これに合わせ、日本社会福祉士会も皆さまのご意見を伺いながら支援活動に取り組んで参ります。ご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
2025年3月7日
日本社会福祉士会 副会長
(災害支援担当理事)岡本 達也