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公益社団法人 日本社会福祉士会

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設立趣意書

21世紀における超高齢社会の到来を前にして、昭和62年に『社会福祉士及び介護福祉士法』が制定されてから既に7年が経過した。この間に6回の社会福祉士試験が実施され、合格者は約4千人を数えている。さらに今後毎年1千人前後の合格者が出ることが予想され、合格者総数が1万人を超えるのも遠くないものと推測される。

このような状況の中で、われわれは、社会福祉士が自己研鑽によってその専門的力量を高め、援助を必要とする人々に質の高い良い福祉サービスを提供し、併せて社会福祉専門職者としての社会的評価を確立することを目的として、平成5年1月15日に「日本社会福祉士会」を結成し、社会福祉士登録者の結集を呼びかけてきた。幸いにわれわれの呼びかけは多くの社会福祉士の支持を受け、全国すべての都道府県に支部を持つ、名実ともに社会福祉士を代表する唯一の全国組織となった。

こうした組織基盤の拡大と並行して、「日本社会福祉士会・社会福祉学会」の開催、研究誌「社会福祉士」の創刊、「第1回社会福祉士全国実態調査」の実施、ブロック単位の自主研修の実施、「社会福祉士実践事例集」の編纂等、専門的職能団体として社会福祉士の専門的力量を高め、社会福祉士に対する社会の理解を深めるための努力も行ってきた。また、厚生省をはじめとする中央・地方の関係行政機関並びに関係各団体の理解と支援も与かって、社会福祉士と日本社会福祉士会に対する社会の理解と期待は次第に深まりかつ高まってきている。

しかし、これらの成果は、今日の社会が社会福祉士に求めているところから見れば極めて初歩的なものに過ぎない。時代は、われわれの予想をはるかに超える速度と規模で変化している。

時代の変化につれて社会のニーズも変化し、それはまた社会福祉に関わる制度・施策のめまぐるしい改変を招き、われわれに対しても思想・理論・方法の根本的な変革を迫っている。職域毎の業務分析と社会福祉士の専門的機能・役割の明確化、指導者の系統的な養成、生涯研修体系の確立等、時代の要請に応えて社会福祉士を国民の期待を担い得る資質と力量を兼ね備えた社会福祉専門職者とするために、日本社会福祉士会が直ちに取り組まなければならない緊急の課題は山積している。また、長期的に見るならば、社会福祉士の蓄積した専門的知識・技能を適切な方法で社会に還元することによって、広く国内及び国際社会に貢献することも重要な課題であろう。

これらの課題を着実に遂行し、併せて毎年1000人あるいはそれ以上にも及ぶ新しい社会福祉士登録者を組織化して行くことは、もはや任意団体の力の限界を超えるものである。今日一定の社会的認知と制度的保障の下に日本社会福祉士会の組織的・財政的基盤を確立することは、ひとり日本社会福祉士会の発展にとって必要であるだけでなく社会福祉士制度自体の発展にとっても不可欠な要件であると考え、ここに「日本社会福祉士会」を発展的に解消し、「社団法人日本社会福祉士会」の設立を図るものである。

平成7年1月20日
社団法人日本社会福祉士会設立総会